鋳物産業は「不良発生は当たり前の文化」、「工場・作業環境に厳しさがある」とよく言われますが、それは鋳物産業の以下のような特徴によるところが大きいのです。
・同じものを同じように作っても欠陥が発生するため、作り直しや補修が前提となっている
・熟練者の暗黙知に頼らざるを得ない面が多い
・人材確保が不十分で、技術・技能の向上が困難
・資本集約型産業であり、設備や技術への投資が容易ではない
・単価決定方式が重量基準となる事が多く、技術的な難易度が反映されにくい

そこで、鋳物工場の生産性が上がらない理由に下記の5つを挙げました。
・欠陥がつき物という意識があるためコスト意識は弱く、生産性に着目した改善が停滞する
・現場のやりくりが常態化し、余裕を持った生産計画を立てる傾向にある
・スキルの伝達が進んでおらず、人に起因する生産能力低下が発生している
・設備異常を感じても壊れるまで使う事が多く、設備保全不足で混乱する
・職場単位の小集団活動を中心とした改善で工場成果に結びつかない

本セミナーは、これら理由を踏まえて「教育・意識改善」「生産管理改善」「現場管理改善」の着眼点から、課題解決の具体的な進め方を紹介していきました。これまで思うような改善成果を実感できずにいた受講者の皆さんにとっては、新しい気付きも大きかったようです。実際に他社が実践してきた改善事例をご紹介させていただきましたが、自職場に置き換えながらイメージを膨らませていらっしゃる様子がうかがえました。
今回受講された皆様からは、鋳物業界をターゲットにしたセミナーは珍しく、初めてだったとの声を多数頂戴いたしました。アステックは、どの業界にも一律の改善手法を押し付けることは決して無く、様々な業界が持つ特異性に応じての具体論で話しをしていきます。これからも業界ごとの踏み込んだ話しを題材に改善テーマを掘り下げてまいります。
他のコンサルティング会社では思うような成果を上げられなかった企業様は、今後のアステック技術セミナーにぜひ、ご期待ください。